Microsoft Wordによる はがきの作成(その1)

作成: 2022. 3.16  最終更新: 

【はじめに】

 ここでは「Microsoft Word(以下Word)」で年賀状を作成した経験から得た知見などをまとめてみました。  ですので、Wordの機能全般を紹介、解説するものではありません。  Wordの機能全般について、下記で詳しく解説されています。    参考: 「視覚障害者のためのWord 2013操作マニュアル | SPAN」  動作環境は:    ThinkPad X270    Windows10    Microsoft Word Microsoft365パーソナル ダウンロード版    NVDA 2021.2jp  ここでは、「はがきの文面を縦書きで作成する」ことを前提としています。そして、以下の順に記述しています。    キーボード操作: リボン、ダイアログボックス、ツールバーなどを使った、キーボードによる操作方法など    ページの設定: 用紙の種類、文章の方向、文字の大きさなど    文章の入力・編集: 文章の入力、読み上げ、カーソル移動、範囲選択など    文書の保存・読み込み: 作成した文書の保存、保存した文書の読み込み、削除など  Wordの使い方についての情報はネット上からいろいろと入手できますが、ほとんどすべてと言ってよいほどマウス操作によるものなので、キーボードで操作するときの一助になれば幸いです。

[目次]

はじめに 1 キーボード操作 1.1 リボン操作 1.2 ダイアログ操作 1.3 操作用ウィンドー 2 ページの設定 2.1 用紙の設定 2.2 文字サイズについて 2.3 フォントの設定 2.4 行数と行間の設定 2.5 行間隔の設定 3 文章の入力・編集 3.1 文章の入力と読み上げ 3.2 編集操作 3.3 段落に関する操作 4 文書の保存と読み込み 4.1 文書の保存 4.2 文書の読み込み 4.3 文書の削除と名前の変更 Microsoft Wordによる はがきの作成(その2) ホーム

【1 キーボード操作】

[1.1 リボン操作]

 キーボードで操作するために「リボン」を利用します。  Altキーを押すと、以下のタブを含む「リボン」が呼び出されます。    「ファイル(f)」、 「ホーム(h)」、 「挿入(n)」、    「描画(ji)」、 「デザイン(g)」、 「レイアウト(p)」、    「参考資料(s)」、 「差し込み文書(m)」、 「校閲(r)」、    「表示(w)」、 「ヘルプ(y)」  リボン内の各タブには左右矢印キー、もしくはそれぞれに付与されているアクセスキーで移動します。アクセスキーは、Altキーを押した後に割り当てられているキーを順に押します。  「タブ」には、Wordで文書を作成・管理するために必要な操作用項目が含まれています。この操作用の項目を「操作項目」と呼ぶことにします。  タブ内の各操作項目にはTabキーで移動します(「シフト+Tab」キーは逆順)。  また、リボン内の各タブの操作項目は「グループ」に分けられています。「コントロール+左右矢印」キーで、グループの先頭項目へジャンプすることができます。  タブ内の操作項目にはアクセスキーが付与されています。そして更に、ショートカットキーが付与されている場合があります。その場合は、それらのキーを押すことで、その操作項目を直接選択することができます。  例えば、ホームタブの「コピー」ボタンには「Alt H C」というアクセスキーと「コントロール+C」というショートカットキーが付与されていて、NVDAはボタン名の後にそれらを読み上げます。  アクセスキーは、Altキーを押した後に割り当てられているキーを順に押します。  Wordで使えるショートカットキーについては 参考: 「Wordのキーボードショートカット」  リボンの「ファイル」タブは、更に以下のようなタブに分かれています。    「ホーム」(Alt F H)    「新規」(Alt F N)    「開く」(Alt F O)    「情報」(Alt F I)    「上書き保存」(Alt F S)    「名前を付けて保存」(Alt F A)    「印刷」(Alt F P)    「共有」(Alt F Z)    「エクスポート」(Alt F E)    「変換」(Alt F M)    「閉じる」(Alt F C)    「アカウント」(Alt F D)    「その他のオプション」(Alt F 0 0)  「ファイル」タブの先頭位置で下矢印キーを押すと、それらのタブ名のリスト(「ファイル」リスト)が呼び出されます。もしくは付与されているアクセスキーを押すことで、それらのタブの中に入ることができます。  但し、「その他のオプション」はドロップダウンリストを呼び出すボタンで、「Alt+下矢印」キーを押すと選択リストが呼び出されます。  「操作項目」には以下のような形式があります。そして、それらの形式によってキーボードによる操作方法が決まります。 1.プッシュボタン  プッシュボタンを押す(選択する)ことで、そのボタンに付与されているコマンド(ある事柄を実現するための指令)を実行することができます。  例えば、「ホーム」タブのクリップボードグループの「コピー」ボタンを押すことで、その時点で選択されている文章をクリップボードにコピーすることができます。  NVDAでは、操作項目名の後に「ボタン」と読み上げます。  プッシュぼたんを押すには、「Enter」キーもしくは「スペース」キーを押します。  ボタン名に「...」が付いているボタンを押すとダイアログボックスが呼び出されます。 2.エディットボックス  エディットボックスは、名前などの単一行の文字列を入力するための操作項目で、その操作項目に移動したときに文字を入力できる状態になります。複数行を入力できるエディットボックスもあります。  NVDAは操作項目名の後に「エディット」と読み上げます。複数行入力できる場合は、その後に「複数行」と読み上げます。  また、エディットボックスには上下矢印キーでリストアップされた文字列を選択して入力できるものもあります。これを「リスト付きのエディットボックス」と呼ぶことにします。  例えば、ホームタブのフォントグループの「フォントサイズ」などがこの形式のエディットぼっくすです。 3.リストボックス  リストボックスは、複数の操作項目の一覧で、上下矢印キーでそれらへ順に移動することができます。  Homeキーで先頭へ、Endキーで末尾へジャンプすることができます。  NVDAは操作項目名の後に「リスト」と読み上げます。 4.展開ボタン  この操作項目を展開するには「Alt+下矢印」キーを押します。そうすると、操作項目の集まりが呼び出されます。  NVDAは、操作項目名の後に「折りたたみ」と読み上げます。  例えば、「ホーム」タブのフォントグループの「文字種の変換」では「文字種の変換」リストが開きます。  また、「文字の効果と体裁」では、以下のような操作項目の集まりが呼び出されます。    「文字の効果と体裁」データグリッド、「文字の輪郭」折りたたみ、    「陰」折りたたみ、 「反射」折りたたみ、 ...  呼び出された操作項目の集まりを閉じるにはEscキーを押します。 5.トグルボタン  ある状態について、オンとオフを切り替えます。  例えば、「ホーム」タブのフォントグループの「太字」トグルボタンをオンにすると、選択されている文字を太字にすることができます。  トグルボタンのオンとオフを切り替えるには、「Enter」キーもしくは「スペース」キーを押します。  NVDAは、操作項目名の後に「トグルボタン」と読み上げ、その後にオンのときは「選択されています」、オフのときは「選択されていません」と読み上げます。 6.スプリットボタン  「スプリットボタン」は以下の二つの操作項目で構成されています。    既定値を選択するためのプッシュボタン    既定値を変更するためのドロップダウンリスト  NVDAは、操作項目名の後に「スプリットボタン」と読み上げ、その後に「折りたたみ」と読み上げます。  そして、「Alt+下矢印」キーでリストボックスを開き、その中でなんらかの項目を選択するとそれが既定値となり、操作項目名の後に「スプリットボタン 現在選択されている内容(既定値) 折りたたみ」の順に読み上げます。  例えば、ホームタブのフォントグループの「下線」スプリットボタンは、最初は何も選択されていないプッシュボタンとなっています。  そこで「Alt+下矢印」キーを押すと以下のようなリストが呼び出されます。    「下線リスト」    「その他の下線...」ボタン    「下線の色」ドロップダウンボタン  リストの中は上下矢印キーで移動します。  「下線リスト」はラジオボタンのグループ(リスト)で、以下のようなラジオボタンが並んでいます。    「一重下線」、 「二重下線」、 ... 「下線なし」  ラジオボタンでは、それが選択されていなければボタン名の後に「選択なし」と読み上げます。選択されていればボタン名だけを読み上げます。  ラジオボタンを選択するには、「Enter」キーもしくは「スペース」キーを押します。  同じグループ(リスト)内の一つが選択されると、その他のすべてが「選択なし」となります。  「下線」リスト内の例えば「二重下線」を「Enter」キーもしくは「スペース」キーで選択するとそれが既定値となり、ホームタブ内の「下線」は「下線 スプリットボタン 二重下線 折りたたみ」と読み上げます。  文章内の文字列または段落を選択してこの「下線」スプリットボタンを押すと、その範囲内の文字に二重下線が引かれることになります。 7.データグリッド  「データグリッド」は、選択項目が縦横(行と列)に配置されている形式の操作項目です。  データグリッド内では、上下左右矢印キーで目的の項目まで移動することができます。  例えば、上記の「下線」スプリットボタンのドロップダウンリストの中にある「下線の色」ドロップダウンボタンを押してリストを開くと、以下のような操作項目の集まりが呼び出されます。    「下線の色」データグリッド、 「その他の色...」ボタン  この集まりの中での操作項目間の移動はTabキーにより行います。  この「下線の色」データグリッドは色を選択するための操作項目で、横方向に標準的な色名、縦方向にそれらのバリエーション色を選択するためのラジオボタンが並んでいます。

[1.2 ダイアログ操作]

 ダイアログボックスは複数の操作項目を含み、複数の項目を設定するために用意されています(「ページ設定」ダイアログなど)。  操作項目名に「...」が付けられているプッシュボタンを押すとダイアログボックスが開きます。  NVDAは、ダイアログボックスが開いたとき、そのダイアログボックスの名前の後に「ダイアログ」と読み上げます。  ダイアログボックス内の各操作項目へはTabキーで順に移動します(シフト+Tabキーで逆順)。  「NVDA+B」キーを押すことによって、ダイアログボックス全体を読み上げさせることができます。  ダイアログボックスを閉じるには、通常「Ok」ボタンや「キャンセル」ボタンを押すか、もしくはEscキーを押します。  ダイアログボックスに含まれる操作項目は、上記の形式の他、以下のような形式もあります。 1.チェックボックス  チェックボックスは選択状態を切り替えるための操作項目で、切り替えは「スペース」キーで行います。  NVDAは、操作項目名の後に「チェックボックス」と読み上げ、その後に選択状態を読み上げます。チェックがオンのときは「チェック」、オフのときは「チェックなし」と読み上げます。 2.コンボボックス  コンボボックスは、通常エディットボックスとリストボックスが組み合わされた操作項目で、エディットボックスに直接入力するか、もしくは上下矢印キーでリスト内を移動して該当項目を選択します。  Wordでは、エディットボックスに入力できない形式のコンボボックスが出てきます。この場合、エディットボックスにはリストボックスで選択した内容が自動的に入力されます。  NVDAは、操作項目名の後に「コンボボックス」と読み上げ、その後にエディットボックスの内容が読み上げられます。  下矢印キーを押すとリストボックスに入り、その後、上下矢印キーでリスト内を移動し、移動先が選択項目となり、それがエディットボックスの内容となります。 3.タブコントロール  「タブ」は複数の操作項目の集まりです。  「リボン」は複数の「タブ」を展開した形式になっています(折りたたむこともできます)が、ダイアログボックスの中で複数の「タブ」を切り替えて操作する形式が出てきます。  この複数の「タブ」を切り替えるための操作項目を「タブコントロール」と呼びます。  この操作項目に移動すると、NVDAは「タブコントロール」と読み上げます。  その箇所で、「コントロール+Tab」キーもしくは左右矢印キーを押すと「タブ」の標識名が順に読み上げられ、その「タブ」が選択された状態となります。  選択された「タブ」の中の操作項目はTabキーで順にたどることができます。

[1.3 操作用ウィンドー]

 Wordで空白の文書もしくは既存の文書を開くと、それを編集するための「ウィンドー」が呼び出されます。  そして、この「ウィンドー」は以下のような操作用ウィンドーによって構成されていると考えることができます。    文書を作成・編集するためのウィンドー    リボンバー    ステータスバー    ツールバー  「F6」キーによってこれらの操作用ウィンドーを順に呼び出すことができます(「シフト+F6」は逆順)。  文書を開いたとき、あるいはなんらかの操作を行ったあとには文書を作成・編集するためのウィンドーが呼び出され、「マイクロソフト ワード 文書エディット 複数行」と読み上げ、その後にキャレット(文字カーソル)の位置する行の内容が読み上げられます。  Altキーを押すことによって「リボンバー」を呼び出すことができます。  「ステータスバー」には以下のような操作項目が含まれています。それらへはTabキーで移動できます。    「ページ番号」、 「文字カウント」、 「言語」ボタン、 「アクセシビリティ チェック」、    「フォーカス」ボタン、 「閲覧モード」タブ、 「印刷レイアウト」タブ、 「ウェブレイアウト」タブ、    「縮小」ボタン、 「拡大」ボタン、 「ズーム」ボタン  最初(文書を開いたとき)は検索用の「ツールバー」が開いています。  その後、文書を作成・編集する過程で以下のような「ツールバー」が開きます。    「スタイルの適用プロパティページ」    「オブジェクトの選択と表示」    「図形の書式設定」など  一度開いた「ツールバー」は、閉じる操作をしない限りそのまま残っています。  「ツールバー」にはいくつかの操作項目が含まれていて、それらへはTabキーで移動できます。  その他に、操作用ウィンドーとして「コンテキストメニュー」があります。  「コンテキストメニュー」は、そのときの状況に応じた操作メニューを提供するポップアップウィンドーです。  「コンテキストメニュー」を開くときは「シフト+F10」キーを押し、メニュー内は上下矢印キーで移動し、目的のメニュー項目はEnterキーで選択します。  途中でメニューを閉じるときはEscキーを押します。

【2 ページの設定】

[2.1 用紙の設定]

 新しい文書を作成するときは、まず最初に「空白の文書を開く」必要があります。 1.Altキーでリボンを呼び出し、「ファイル」タブの「新規」を選択する(Alt F N)  「ファイル」タブの先頭項目で下矢印キーを押すと「ファイルリスト」に入るので、上下矢印キーで「新規」まで移動します。 2.リストから「白紙の文書」を選択する(Alt F N L)  「新規」タブ内のリストから「白紙の文書」を選択します(Enterキー)。  そうすると、「マイクロソフト ワード 文書エディット 複数行」と読み上げ、文章を入力できる状態となります。  そして、ここでは以下の書式が設定されています。    用紙の種類: A4 横書き 上下左右余白(35mm, 30mm, 30mm, 30mm)    行数と行間: 36行 18pt    フォント: 游明朝(ユウ ミンチョウ) 10.5pt  その後、必要に応じてページの書式を変更します。  ここでは以下の内容を設定します。    用紙サイズを「はがき」に設定する    文字列の方向を「縦書き」に設定する    印刷の向きを「縦」に設定する    余白サイズを設定する(上下=10mm、左右=5mm) 1.「文字列の方向」の設定  「レイアウト」タブの「文字列の方向」を選択する(Alt P Q)  そうすると、「文字列の方向」リストが呼び出されるので上下矢印キーで「縦書き」を選択する(Enterキー) 2.「印刷の向き」の設定  「レイアウト」タブの「印刷の向き」を選択する(Alt P O)  そうすると、「印刷の向き」リストが呼び出されるので上下矢印キーで「縦」を選択する(Enterキー) 3.用紙サイズの設定  「レイアウト」タブの「サイズ」を選択する(Alt P S Z)  そうすると、「サイズリスト」が呼び出されるので上下矢印キーで「ポストカード」まで移動し、それを選択する(Enterキー) 4.余白の設定  「レイアウト」タブの「余白」を選択する (Alt P M)  そうすると、「余白リスト」が呼び出されるので上下矢印キーで「ユーザ設定の余白」まで移動し、それを選択する(Enterキー) (Alt P M A)  そうすると、「ページ設定」ダイアログボックスの「余白」タブが呼び出されるので、Tabキーで各項目へ移動する  「上」、「下」、「左」、右」の余白サイズ(ミリメートル)を直接入力するか、もしくは上下矢印キーで値を洗濯して「Ok」ボタンを押す

[2.2 文字サイズについて]

 文字サイズは「ポイント(pt)」で表記されます。 「ポイント(pt)」は「1インチの72分の1のサイズ」に定められています。    1pt = 1inch / 72    1inch = 25.4mm    1pt = 25.4mm /72 = 0.35277...mm  pt(ポイント)とmm(ミリメータ)の対応は以下の通りです。    1pt = 0.35mm    2pt = 0.71mm    4pt = 1.41mm    6pt = 2.12mm    8pt = 2.82mm    10pt = 3.53mm    10.5pt = 3.70mm    11pt = 3.88mm    12pt = 4.23mm     14pt = 4.94mm    16pt = 5.64mm    18pt = 6.35mm     20pt = 7.06mm     22pt = 7.76mm    24pt = 8.47mm    26pt = 9.17mm    28pt = 9.88mm    30pt = 10.58mm    36pt = 12.70mm    48pt = 16.93mm    60pt = 21.17mm    72pt = 25.40mm    96pt = 33.87mm    100pt = 35.28mm

[2.3 フォントの設定]

 Wordでは日本語用のフォントと英数字用のフォントが利用でき、全角文字は日本語用、半角文字は英数字用フォントで印字できるようになっています。  しかし、使用するフォント(標準フォント)の初期設定は、「游明朝の10.5ptで、英数字用は日本語用と同じ」となっています。  使用するフォントの種類を変更するには以下のように操作します。  1.リボンの「ホーム」タブの「フォント」を選択する(Alt H F F) 2.目的のフォント名をリストから選択してEnterキーを押す  「フォント」はリスト付きのエディットボックスです。  日本語フォントを選択すると、それが日本語用のフォントとなり、英数字フォントを選択すると英数字用のフォントとして使用されます。  デフォルトでは、半角の英数字も日本語用フォントを使用するように設定されています。  使用するフォントのサイズを変更するには以下のように操作します。  1.リボンの「ホーム」タブの「フォントサイズ」を選択する(Alt H F S) 2.目的のサイズをリストから選択するか、直接入力して、Enterキーを押す  「フォントサイズ」はリスト付きのエディットボックスです。  「フォント」ダイアログボックスを用いて設定することもできます。 1.以下のいずれかの方法で「フォント」ダイアログボックスを呼び出す    「コントロール+D」キーを押す    「ホーム」タブの「フォント...」ボタンを押す (Alt h f n)    「ページ設定」ダイアログボックス内の「文字数と行数」の「フォントの設定」ボタンを押す  ちなみに「ページ設定」を呼び出すには:    「レイアウト」タブの「ページ設定」を選択する (Alt P S P) 2.日本語用フォント、英数字用フォント、文字サイズを選択する  「フォント」ダイアログには「フォント」タブと「詳細設定」タブが含まれています。  そして、「フォント」タブには以下の操作項目が含まれています。    「日本語用のフォント」エディットボックス、 「英数字用のフォント」エディットボックス、     「スタイル」エディットボックス、 「サイズ」エディットボックス、    ... 半角文字も日本語用フォントで印字するときは、「英数字用フォント」で「日本語用と同じフォント」を選択します。  半角文字を日本語用フォントではなく英数字用のフォントで印字するときは、「英数字用のフォント」でそのフォントを選択します。 3.「Ok」ボタンを押す  英数字用のフォントを有効にするには以下のように操作します。 1.「ファイル」タブの「その他のオプション」を選択する(Alt F 0 0)  「ファイル」タブのタブリストの「その他のオプション」まで移動し、「Enter」キーもしくは「Alt+下矢印」キーを押すと選択リストが開きます。 2.センタクリストから「オプション」を選択する(Alt F T)  そうすると、「Wordのオプション」ダイアログボックスが呼び出されます。 3.「カテゴリ」リストから「詳細設定」を選択する 4.Tabキーで「日本語用と英数字用に同じフォントを使う」まで移動し、そのチェックボックスをオフに設定する

[2.4 行数と行間の設定]

 印字できる行数は:    行数 = 印字できる幅 / 1行の幅  印字できる幅:    用紙の横幅 - 左右の余白幅 (縦書きの場合)    用紙の上下幅 - 上下の余白幅 (横書きの場合)  ここでの設定は:    用紙(はがき)の横幅 = 100mm    左余白 = 5mm    右余白 = 5mm    印字できる横幅 = 90mm  これをpt(ポイント)で表記すると:    印字できる横幅(pt) = 90mm / 0.35mm = 257.1pt  Wordでは「1行の幅」を「行間」もしくは「行送り」と呼んでいます。  通常あるいは直感的には「行間」は「一つの行と次の行の間の余白」と理解されますが、Wordにおける「行間(行送り)」は    縦書きの場合: 一つの行の右端から次の行の右端までのサイズ    横書きの場合: 一つの行の上端から次の行の上端までのサイズ を意味します。  行間は使用するフォントのサイズによって決まります。少なくとも使用するフォントが印字できる行間である必要があります。  フォントに関するデフォルト設定は:    日本語用フォント = 游明朝(ユウ ミンチョウ)    英数字用フォント = 日本語用と同じフォント    文字サイズ = 10.5pt  このフォントを使うことを前提に、先のように用紙に関する設定を行うと、行数と行間はWordによって以下のように設定されます。    行数 = 14    行間 = 18pt  これらの状況は「ページ設定」ダイアログボックスを呼び出すことで確認することができます。  「ページ設定」ダイアログボックスを呼び出すには以下のように操作します。    「レイアウト」タブの「ページ設定」を選択する (Alt P S P)  そうすると、「ページ設定」ダイアログボックスが呼び出されます。  「ページ設定」ダイアログには以下のタブが含まれています。    「文字数と行数」、 「余白」、 「用紙」、 「その他」  「コントロール+Tab」もしくは左右矢印キーでそれぞれのタブに切り替えることができます。  「余白」タブには、先に設定した上下左右の余白幅が設定されています。  「用紙」タブには、先に設定した用紙の種類(ポストカード)が設定されています。  「文字数と行数」タブは以下のように設定されています。    「縦書き」 = チェック、 「段数」 = 1、    「行数だけを指定する」 = チェック、 「行数」 = 14、 「行送り」 = 18pt、    「設定対象」 = 文書全体  「行数」と「行送り」はリスト付きのエディットボックスで、直接値を入力できると同時にリストアップされた値を選択することもできるようになっています。  ちなみに「行数」を上下矢印キーで移動させると、上限値が「17」、下限値が「1」となっています。  そして、「行数」の値に応じて「行送り」の値が変化します。    17 = 14.95pt    16 = 15.9pt    15 = 16.95pt    14 = 18.2pt    13 = 19.6pt    ... これは、同じフォントを使うことを前提に、行間を縮めて最大17行まで増やすことができること、あるいはまた行数を減らして行間を広げることができることを示しています。  上記で、行数を変動させて再度「14」にしたときの行送りの値が「18.2pt」になっているのは、印字幅を行間で割ったのと、行数で割ったのとの違いです。  即ち、「18pt」の場合は最後(縦書きのときは左端)に少しの余白ができることになります。  また同じく、「行送り」の値を変えると「行数」の値が変動します。  Wordは独自の判断で、使用するフォント(フォントの種類とサイズ)に応じて行数と行間を決定します。  ちなみに「游明朝」の場合は、その文字サイズに応じて「行数」と「行送り」が以下のように設定されます。    文字サイズ = 行数、 行送り    8, 9, 10, 10.5, 11, 12pt = 14行, 18pt    14pt = 13行, 19.05pt    16pt = 11行, 21.75pt    18pt = 10行, 24.5pt    20pt = 9行, 27.2pt    22pt = 8行, 29.9pt    24pt = 7行, 32.65pt    ...  「ページ設定」ダイアログボックスの指定内容を変えることで、現在の設定内容を変更することができます。  使用するフォントの種類またはサイズを変更すると、それに応じて行数と行送りの設定値も変化します。  また当然のこととして、印字可能な幅を変えると、それに応じて行数と行送りも変化します。  印字文字列は、このようにして決定された行間の中央に配置されます。  以上まとめると:    印字可能な横幅(縦書きの場合)と、使用するフォントの種類とサイズによって行数と行送りが決まる    Wordは独自の判断で行数と行送りを決定する    Wordが設定した行数と行送りの値を変えることによって、行数と行送りを増減させることができる    行数の値を変えれば、それに応じて行送りの値も変わる    行送りの値を変えれば、それに応じて行数の値も変わる    余白サイズを変えれば、それに応じて行数と行送りの値も変わる  但し、「ページ設定」における「行数」は、選択されているフォントが標準フォントで、選択されている行間隔が「1行」の場合の数値です。  従って、以下のような場合は異なった結果となります。    文書内のフォントサイズが標準スタイルのサイズと異なる場合    等幅フォントではなく、プロポーショナルフォント(MSPゴシックやMSP明朝など)を使用している場合    行間等の書式を、文章内の段落や文字列に部分的に設定している場合

[2.5 行間隔の設定]

 前記のように、Wordは独自の判断で行間(行送り)のサイズを決めています。  つまり、フォント(文字)の両側に空白を入れて、文字列と文字列の間に間隔を付けています。これを「行間隔」と呼ぶことにします。  例えば、デフォルトでのフォントサイズが「10.5pt」なのに、行間(行送り)は「18pt」となっています。この状態を「1行の行間隔」と呼んでいます。  この行間隔を変更することによって、文字列と文字列の間の間隔を広げたり縮めたりすることができます。  実際に文章を入力してみると、「ページ設定」ダイアログに表示されている行数にはなりません。  例えば、フォントサイズを「14pt」としたときの行間(行送り)は「19pt」で、先のはがきに納まる行数は「13行」のはずですが、実際に文章を入力すると「7行」になってしまいます。  これは、標準のフォントサイズが「10.5pt」で、その行間が「18pt」になっているために、行間が「19pt」の文字列を入力すると標準の行間に納まらないので、自動的に標準の行間の2行分が入力した文字列行の行間隔となってしまうためです。  こうしたことを「行グリッド線に合わせる」と呼び、これがデフォルトの設定となっています。 この状態では行間隔が開きすぎることが多いので、以下のような方法で行間隔を縮めることができます。    「行グリッド線に合わせる」設定を解除する    行間隔を「固定幅」に設定する    行間隔を「最小幅」に設定する  「行グリッド線に合わせる」設定を解除するには以下のように操作します。 1.リボンの「レイアウト」タブの「段落...」ボタンを押す(Alt P P G)  そうすると、以下のタブを含む「段落」ダイアログボックスが呼び出されます。    「インデントと行間隔」、 「新ページと改行」、 「体裁」 2.「インデントと行間隔」タブの「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」チェックボックスをオフに設定する 3.「Ok」ボタンを押す  そうすると、先の例では、はがきに納まる行数が「10行」となりました。  「固定幅」を指定することによって、行間隔を特定の幅(サイズ)に限定することができます。 1.リボンの「レイアウト」タブの「段落...」ボタンを押す(Alt P P G) 2.「インデントと行間隔」タブの「行間」コンボボックス内の「固定値」まで移動し、次の「間隔」エディットボックスに数値を入力する  「行間」まで移動し、下矢印キーを押すと選択リストが開きます。  そして、選択リストの「固定値」まで移動し、Tabキーで「間隔」へ移り数値を入力します。「間隔」はリスト付きのエディットボックスなので上下矢印キーで選択することもできます。  例えば、行間隔を「19pt」にするには「19」と入力します。 3.「Ok」ボタンを押す  固定幅を指定すると、行間隔は指定された幅に固定され、それを越えるサイズの文字を入力すると文字列が重なり合う結果となります。そのため、画面上では文字が欠けて表示され、印刷すると重なって印字されるようです。  先の例では、はがき内に納まる行数は「13行」となりました。  「最小幅」を指定することによって、行間隔の最小幅を確保することができます。 1.リボンの「レイアウト」タブの「段落...」ボタンを押す(Alt P P G) 2.「インデントと行間隔」タブの「行間」コンボボックス内の「最小値」まで移動し、次の「間隔」エディットボックスに数値を入力する  例えば、最小の行間隔を「12pt」にするには「12」と入力します。 3.「Ok」ボタンを押す  最小幅を指定すると、行間隔は指定された幅に固定され、それを越えるサイズの文字を入力すると、それに応じて行間隔が自動的に広げられます。  この自動的に行間隔が広げられるとき、前記のように「行グリッド線に合わせる」がオンのときとオフのときでは、広げられる行間隔が異なります。  逆に、行間隔を広げたいときは以下のように操作します。 1.リボンの「レイアウト」タブの「段落...」ボタンを押す(Alt P P G) 2.「インデントと行間隔」タブの「行間」コンボボックスを選択する 3.行数を指定するときは、リストから以下のいずれかを選択する    「1.5行」、 「2行」 4.倍率を指定するときは、リスト内の「倍数」まで移動し、次の「間隔」エディットボックスに数値を入力する  例えば、行間隔を「1.2行」にするには「1.2」と入力します。 5.「Ok」ボタンを押す  これらの指定で広げられる行間隔は、前記のように「行グリッド線に合わせる」がオンのときとオフのときでは、広げられる行間隔が異なります。

【3 文章の入力・編集】

[3.1 文章の入力と読み上げ]

 白紙の文書を開いたとき、あるいは既存の文書を開いたときに「マイクロソフト ワード 文書エディット 複数行」と読み上げます。  あるいはまた、メニュー操作から復帰したとき、別のウィンドーから戻ってきたときにも同じように読み上げます。  「マイクロソフト ワード 文書エディット 複数行」の後に、文字カーソル(キャレット)が位置する行全体を読み上げます。その行が空白行のときは「ブランク」と読み上げます。  このときに、NVDAは自動的に「フォーカスモード」に入っていて、文章を入力したり変更したりすることができるようになっています。  NVDAの操作モードには「フォーカスモード」と「ブラウズモード」がありますが、「ブラウズモード」のときには文字を入力したり削除したりすることはできません。  ブラウズモードとフォーカスモードの切り替えは、「NVDA+スペース」キーで行います。  多くのテキストエディタと同じように、文字カーソル(キャレット)の1に文字を入力したり、その1の文字を削除することができます。  「白紙の文書」を開いたときは、一つの空白行だけの文書となっていて、その先頭位置にキャレットが位置づけられています。  空白行は、一つの改行文字だけの行で、「ブランク」と読み上げられます。そして、改行文字は「復帰」と読み上げられます。  「白紙の文書」に文章を入力し始めるときは、それまでの操作で不用意に文字を入力してしまっているのを防ぐために、「コントロール+A」で「すべて選択」し、「Delete」でクリアしておいた方がよいかもしれません。  通常(横書きの場合)、キャレットを移動させるキー操作には以下のものがあります。  キャレットの移動と読み上げ:    コントロール+Home = 文章の先頭行の行頭に移動し、その行を読み上げる    コントロール+End = 文章の最終行の行末に移動し、その行を読み上げる    Home = 現在行の行頭に移動し、行頭の文字を読み上げる    End = 現在行の行末に移動し、「復帰」と読み上げる    右矢印 = 次の文字に移動し、その文字を読み上げる(行末は「復帰」と読み、更に次の行の先頭文字へと進む)    左矢印 = 前の文字に移動し、その文字を読み上げる(行末は「復帰」と読み、更に前の行の最終文字へと進む)    下矢印 = 次の行の同じ文字位置の文字に移動し、その行全体を読み上げる(最終行のときは読み上げを繰り返す)    上矢印 = 前の行の同じ文字位置の文字に移動し、その行全体を読み上げる(先頭行のときは読み上げを繰り返す)    Alt+下矢印 = 次の文(センテンス)の最初の文字に移動し、その文全体を読み上げる(次の行へと進む)    Alt+上矢印 = 前の文(センテンス)の最初の文字に移動し、その文全体を読み上げる(前の行へと進む)    NVDA+L = キャレットの位置する行全体を読み上げる(キャレットは移動しない)    NVDA+A = キャレットの位置する文字から文章末まで読み上げる(キャレットは文章末まで移動する)  その他に、NVDAではキャレットの移動を伴わずにテキストの任意の箇所を読み上げさせる機能があり、これを「レビュー操作による読み上げ」と呼ぶことにします。  レビュー操作による読み上げでは、キャレットの位置は変化せず、レビューカーソルが移動します。  レビューカーソルの移動と読み上げ:    NVDA+コントロール+Home = 文章の先頭行の行頭に移動し、その行を読み上げる    NVDA+コントロール+End = 文章の最終行の最終文字に移動し、その行を読み上げる    NVDA+Home = 現在行の行頭に移動し、行頭の文字を読み上げる    NVDA+End = 現在行の最終文字に移動し、その文字を読み上げる    NVDA+右矢印 = 次の文字に移動し、その文字を読み上げる(行末では「右の端」と読んだ後に最終文字を読み上げる、次の行へは進まない)    NVDA+左矢印 = 前の文字に移動し、その文字を読み上げる(行頭では「左の端」と読んだ後に先頭文字を読み上げる、前の行へは進まない)    NVDA+ピリオド = 現在レビューカーソルの位置する文字を読み上げる    NVDA+下矢印 = 次の行の行頭の文字に移動し、その行全体を読み上げる(最終行のときは読み上げを繰り返す)    NVDA+上矢印 = 前の行の行頭の文字に移動し、その行全体を読み上げる(先頭行のときは読み上げを繰り返す)    NVDA+シフト+ピリオド = レビューカーソルはそのままで、その行全体を読み上げる    NVDA+コントロール+右矢印 = 次の文字列(ワード)の最初の文字に移動し、その文字列全体を読み上げる(行末は「復帰」と読み上げ、次の行へと進む)    NVDA+コントロール+左矢印 = 前の文字列(ワード)の最初の文字に移動し、その文字列全体を読み上げる(行末は「復帰」と読み上げ、前の行へと進む)    NVDA+コントロール+ピリオド = レビューカーソルはそのままで、現在レビューカーソルの位置する文字列(ワード)を読み上げる    NVDA+シフト+A = レビューカーソルの位置するもじから文章末まで読み上げ、レビューカーソルを文章末に位置づける  縦書きの場合は、キャレット移動による読み上げ操作で以下の点が異なります。    右矢印 = 前の行の同じ位置の文字に移動し、その文字を読み上げる(先頭行のときは読み上げを繰り返す)    左矢印 = 次の行の同じ位置の文字に移動し、その文字を読み上げる(最終行のときは読み上げを繰り返す)    下矢印 = 次の文字に移動し、その行全体を読み上げる(行末は「復帰」と読み上げずに行全体を読み上げ、更に次の行の先頭文字へと進む)    上矢印 = 前の文字に移動し、その行全体を読み上げる(行末は「復帰」と読み上げずに行全体を読み上げ、更に前の行の最終文字へと進む)  尚、レビュー操作は横書きの場合と同じように動作します。  即ち、NVDA+上下矢印キーで前後の行へ、NVDA+右左矢印キーで前後の文字へと移動・読み上げます。  問題は、上下矢印キーでキャレットの1を動かしたときに行全体を読み上げてしまうことで、そのために以下の操作を行う必要があると思われます。    目的の1までレビューカーソルを移動する    「NVDA+シフト+バックスペースを2回」キーを押して、キャレットをレビューカーソルの位置まで移動させる  また、左右矢印キーで次もしくは前の行に移動してもキャレットの位置する文字しか読み上げないので、レビュー操作で行全体を読み上げさせる必要があります。  文字を入力すると、キャレットの位置する文字の前にその文字が挿入されます。  そして、入力した文字の後ろにキャレットが位置づけられます。  このとき、レビューカーソルはキャレットと同じ位置に移動します(デフォルトの設定を変更していなければ)。  キャレットの移動による読み上げ操作を行ったときに、キャレットの移動にレビューカーソルを追随させるか否かは、「NVDA+6」キーによって交互に切り替えることができます。  切り替えた状態に応じて、「テキストカーソルをレビューカーソルが追跡する」もしくは「...追跡しない」と読み上げます。  テキストカーソルをレビューカーソルが追跡しない状態で、テキストカーソル(キャレット)の位置にレビューカーソルを移動させるには、「NVDA+バックスペース」キーを押します。    レビュー操作で、テキストカーソル(キャレット)をレビューカーソルの位置まで移動させるには「NVDA+シフト+バックスペースを2回」キーを押します。

[3.2 編集操作]

 範囲選択は通常通り「シフト+矢印キー」で行うことができますが、縦書きの場合はレビュー操作による範囲選択の方がわかりやすいかもしれません。  レビュー操作による範囲選択:    NVDA+F9 = レビューカーソルの位置を範囲選択の開始位置に設定する(「開始位置をマーク」と読み上げる)    NVDA+F10 = レビューカーソルの位置する文字を範囲選択の最終文字に設定する(「...選択」と読み上げる)    NVDA+F10を2回 = 選択範囲をクリップボードにコピーする(「クリップボードにコピーしました...」と読み上げる)  キャレットの位置する文字、または選択されている範囲は、通常の操作で削除することができます(Deleteキー)。  選択されている範囲のクリップボードへのコピーは、通常の操作で行うことができます(「ホーム」タブ、「コントロール+C」)。  クリップボードの内容は、通常の操作でキャレットの位置する文字位置に挿入することができます(「ホーム」タブ、「コントロール+V」)。  クリップボードの内容は「NVDA+C」キーで読み上げさせることができます。  キー操作を取り消して元に戻すときは「コントロール+Z」で行います。  取り消した操作を取り消す(キー操作をやり直す)ときは「コントロール+Y」を使用します。  更に続けてやり直し操作を行うと、取り消した操作の繰り返し操作となります。  例えば、ある文字を削除した後に「元に戻す」とその文字が復元され、その後「やり直す」とその文字は再び消えますが、続けて「やり直す」と削除操作が繰り返されて、後続の文字が削除されることになります。  文字の入力を続けてゆくと行数が増え、設定されている要しないの行数を超えると次のページが作成されてゆきます。  はがきのように1ページに限定する必要がある場合は、設定されている行数と現在の行数及びページ数に注意する必要があります。  現在のページ数と現在のページ位置はステータスバーに表示されています。  ステータスバーを読み上げさせるには「NVDA+シフト+End」キーを押します。  また、「F6」キーで「ステータスバー」を呼び出すこともできます。

[3.3 段落に関する操作]

 文字を連続して入力してゆくと行末に到達し、更に入力すると自動的に改行して、次の行に文字が入力されてゆきます。  そしてEnterキーを押すと改行文字が入力されて、次の行に空白行が作られます。  ここで、最初に入力した文字から最後にEnterキーで改行したところまでの文章を「段落」と呼びます。  また、「シフト+Enter」キーを押すと、段落を変えずに(同じ段落内で)改行することができます。これを「強制改行」と呼ぶことにします。  このとき、「シフト+Enter」キーを入力した位置には改行位置を示す符号が入力され、キャレットやレビューカーソルをその位置に合わせても無音(何も読み上げない)となります。画面上には下向きの矢印マークが表示されるようです。  従って、一つの段落には、自動的に改行されたものも含めて、一つ以上の行が含まれることになります。  現在の行数と段落数は以下の操作で知ることができます。    「校閲」タブの「文字カウント」ボタンを押す(Alt r w)  そうすると、「文字カウント」ダイアログボックスが呼び出され、「NVDA+B」キーを押すと以下の内容が読み上げられます。    ページ数、 単語数、 文字数、    段落数、 行数など    この「文字カウント」ダイアログボックスの中の操作項目は二つだけで、それ以外の表示項目は「NVDA+B」キーで読み上げさせる必要があります。  行単位ではなく段落単位の「キャレット移動による読み上げ」操作は以下のようになります。    コントロール+下矢印 = 次の段落の先頭文字に移動し、その段落全体を読み上げる(最終段落の場合は読み上げを繰り返す)    コントロール+上矢印 = 前の段落の先頭文字に移動し、その段落全体を読み上げる(先頭段落の場合は読み上げを繰り返す)  キャレットの位置している段落を移動させるには、以下のように操作します。 1.移動させる段落にキャレットを位置づける 2.「シフト+Alt+下矢印」キーを押す  そうすると、「...の下に移動」と読み上げ、次の段落の次にキャレットの位置する段落が移動します。  ここで「...」は次の段落の文章です。  「シフト+Alt」を押したままで下矢印キーを何度か押すと、その都度移動先が次々と進んでゆきます。 3.逆方向に移動させるときは、「シフト+Alt+上矢印」キーを押す 4.キーをはなすと移動が確定する

【4 文書の保存と読み込み】

[4.1 文書の保存]

 新しく作成した文書を保存するときは以下のように操作します。 1.リボンの「ファイル」タブの「ファイル」リストから「名前を付けて保存」を選択する(Alt F A)  そうすると、以下のタブリストが呼び出されます。    「最近使ったアイテム」タブ(Alt F A Y 1)    「ワンドライブ」タブ(Alt F A K)    「このPC」タブ(Alt F A C)    「場所の追加」タブ(Al t f a a) 2.タブリストから「このPC」タブを選択する(Alt F A C) 3.Tabキーで「フォルダーの選択」まで移動して、呼び出されているフォルダー位置を確認する  初期状態では「ドキュメント(c:\users\「ログイン名」\documents」に設定されています。  「ドキュメント ボタン」と読み上げます。 4.Tabキーで「ここにファイル名を入力してください」エディットボックスまで移動し、ファイル名を入力し、Tabキーで「保存」ボタンまで移動し、それを押す 5.別のフォルダーに保存するときは、現在選択されているフォルダー名がボタンになっているのでそれを押す  そうすると、「名前を付けて保存」ダイアログボックスが呼び出されます。  その中の「ツリービュー」で保存するフォルダーを選択し、「ファイル名」エディットボックスにファイル名を入力して、「保存」ボタンを押します。  現在選択されているフォルダーの下に新しいフォルダーを作成するときは、以下のように操作します。 1.「このPC」タブを選択する(Alt F A C) 2.Tabキーで「新しいフォルダー」ボタンまで移動し、それを押す  そうすると、「新しいフォルダーの作成」ダイアログボックスが呼び出されます。 3.Tabキーで「新しいフォルダー」エディットボックスまで移動し、フォルダー名を入力し、「Ok」ボタンを押す  保存済みの文書で、編集途中もしくは終了時に文章を保存するときは「ファイル」タブの「上書き保存」を選択します(Alt F S)。  文書を編集した後に、保存せずに閉じようとすると確認のダイアログボックスが呼び出されます。

[4.2 文書の読み込み]

 保存してある文書を開くには以下のように操作します。 1.「ファイル」タブの「ファイル」リストから「開く」を選択する(Alt F O)  そうすると、以下のタブのリストが呼び出されます。    「最近使ったアイテム」タブ(Alt F O R)    「ワンドライブ」タブ(Alt F O K)    「このPC」タブ(Alt F O C)    「場所の追加」タブ(Al t f o a) 2.「最近使ったアイテム」タブを選択する(alt f o R)  このタブの中では、「文書」タブと「フォルダー」タブのいずれかを選択する必要があります。 3.「タブコントロール」で「文書」タブを選択する  切り替えは左右矢印キーで行います。  デフォルトでは「文書」タブが選択されています。 4.「リスト」から目的の文書を選択して、「開く」ボタンを押す 5.別のフォルダーを選択するときは、「タブコントロール」を左右矢印キーで「文書」から「フォルダー」に切り替える  そうすると、「リスト」にフォルダーの一覧が呼び出されるので、目的のフォルダーを選択する(Enterキー)  そして、呼び出された「アイテムリスト」から目的の文書を選択して「開く」ボタンを押す  「アイテムリスト」にフォルダー名が呼び出されているとき、それを選択(Enterキー)すると、「アイテムリスト」にそのフォルダーに含まれている文書の一覧が呼び出されます。  「最近使ったアイテム」で見つからないときは以下のように操作します。 1.「このPC」タブを選択する(Alt o c)  そうすると、「フォルダーの選択」に現在選択されているフォルダー名が呼び出されていて、「アイテムリスト」にその中に含まれている文書の一覧が呼び出されています。 2.「アイテムリスト」から目的の文書を選択する(Enterキー) 3.見つからないときは、呼び出されているフォルダー名のボタンを押して「ファイルを開く」ダイアログボックスを呼び出す  そして、「ツリービュー」、「項目ビューリスト」を操作して目的の文書ファイルを選択して「開く」ボタンを押す  また、「参照」ボタン(Alt F O O)を押して、直接「ファイルを開く」ダイアログボックスを呼び出すこともできます。  同時に複数の文書を開いたときは、新しいウィンドーが開かれ、そこに開いた文書が呼び出されます。  ウィンドーの切り替えは「Alt+Tab」キーで行います。  開いている文書を閉じるときは、「ファイル」タブの「閉じる」を選択します(Alt F C)。  このとき、その文書に変更が加えられていて、保存操作が行われていないときは確認のダイアログボックスが呼び出されます。

[4.3 文書の削除と名前の変更]

 保存している文書ファイル及びフォルダーを、Word上で削除したり名前を変えたりすることもできます。 1.文書を開くときと同じ操作で、「アイテムリスト」から目的の文書ファイルもしくはフォルダーを選択する 2.コンテキストメニューを開く(シフト+F10) 3.メニュー内の「削除」を選択する(Enterキー)  確認のダイアログボックスが呼び出されるので「削除」ボタンを押す 4.名前を変えるときは、コンテキストメニューから「名前の変更」を選択する(Enterキー)  そうすると、「ファイルの名前を変更する」ダイアログボックスが呼び出されるので、エディットボックスに入力されている現在の名前を変更して、「Ok」ボタンを押す